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JUBBILLY13'によるgdgdブログ、第二段。

グループワーク×鑑賞「不思議って何?」

ただいま我が校はアクティブラーニングを積極的に取り入れた授業の公開週間であります。

1学期は2年生に「なぜ美術を勉強するの?」と題して話し合ってもらいました。その時期は職場体験も重なっていたので、様々な職業の各ケースで、美術で学んだ技術がどう活かされるのか、という課題も絡めて考えてもらいました。

さて今回の2学期は、3年生が丁度今、透視図法を取り入れてシュルレアリスム期の画家達を鑑賞し、独自の「不思議な空間」をテーマに平面作品を作ってくれているので、そこへ関連させようと授業案を計画しました。


「不思議と感じること(時物)は何だろう?」という主題のもと、3つのケースに課題を段階分けし、教室の生活班で話し合ってもらいました。

まずケース1に、①マグリットの「ピレネーの城」を見て、どこが不思議に感じるか意見を書き出そうという設問、
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②に同じくマグリットの「これはパイプではない」を見て、ではなんなのか?を考えるなぞなぞのような設問、の二題を課しました。
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①に関しては、やはり「岩が浮いている」、「岩の上に城が建っている」、「岩と城が一体化している」が多かった意見です。
他にも「顔やトマトに見える」など岩の形状についてや、「岩が異常にでかい」「城への道がない」などその怪奇さについて意見を出してくれる子もいました。
もう一つの観点は、「海に岩の影がない」でした。これはマグリットの取り入れた方法でもある、意外なものとものとの組み合わせ「デペイズマン」という手法を説明するのにはいい意見となりました。^^なんでもない海辺の風景に、無関係な浮いている巨大な岩、というそれぞれの異様な組み合わせの存在をうまく読み取っています。^^
どれも素直に、この絵は不思議であると感じる、という本課題の主旨にのっとって挙げてくれました^^


面白いのが②の課題。正解•不正解を問うのでなく、この絵から、どう生徒達が思考を働かせるのかが主旨でした。

やはり「パイプではない」と言われたら、じゃあ他の機能性を持つ道具なのか?形が似ている他の物質なのか?と考えるのが通常の思考です。
先にやった2クラスにはヒントなしで解いてもらったので、上のような思考で回答してくれました。
「片方のひげ」、「つえ」、「ジョウロ」、「逆に向けたらヒール」など。これらも他の可能性を一生懸命考えてくれた面白い発想です。


もう一つの観点は、その材質に目を向けた解答。「チョコレート」、「木」など、ここでもう既に「パイプ」としての概念を外しかかっているのでかなりいい方向に考えてくれています^^

ここで3番目にやったクラスでかなりいいヒントが。「壁?」とつぶやいてくれた子がいて、ここから以降、「パイプという機能とか形という概念を完璧に無視した方が解けます」というヒントを出したら見事正解を出してくれた班が。^^

その後、正解を発表すると生徒達は なるほど、やられたーという表情になり、「目に見えるものはいつも別の見えるものを隠している」というマグリットの意図をうまく読み取ってくれた瞬間でした。これはかなり興味深くて面白かったです。本当にみんなよく考えてくれました。^^


さて上記はウォーミングアップでしたが、ケース2では各自が今まで体験した不思議だと感じた経験や夢を語ってもらいました。
これも意外な盛り上がり。
予想通りでしたが、不思議な経験はやはり心霊経験も多いようで、夜道後ろから背中をたたかれた、や1泊研修で心霊写真が撮れた、など百物語みたいになって
楽しかったです。^^
そして、夢について。夢は無意識のうちに見る物なのでその時点で充分不思議なのですが、落ちる夢や金縛り、殺される夢、などの話も多く、その意味などについて教えてあげると、驚いた様子のリアクションをしてくれたのでそれも面白かったですね。^^
しかし中にはだまし絵のような芸術作品を見て不思議に感じたりした生徒もおり、感じ方はそれぞれ本当に様々だなぁと私自身もかなり楽しませてもらいました。


最後にケース3。この中学校の正門の写真を見せ、今まで話し合った意見を共有し、それをもとにこの写真を不思議にしてみよう、というお題。

ケース1の「浮いている」という要素や、ケース2で出た心霊体験を活かして正門の上空に人を飛ばしたり、幽霊をたくさん描いたり、またカオスな傾向の作品が多かったクラスでは謎のキャラクターたちで埋め尽くされていたり。。。^^
中には季節が一度に存在しているファンタジーチックな作品や、メガロフォビア(巨大物恐怖症)を思わせるような巨大な扉を門の真ん前に描いている班など、、、その表現は様々で、私も最後にその作品たちを解説しながら笑いが止まりませんでした。


これらのワークによって、生徒たちの想像力が、概念にしばられない、より豊かなものになってくれたなら幸いです。

初めての試みでしたが、盛り上がって話し合ってくれた生徒たちに感謝です。